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東京地方裁判所 平成4年(ワ)15115号 判決 1993年12月22日

東京都港区芝大門一丁目一三番九号

原告

昭和電工株式会社

右代表者代表取締役

村田一

右訴訟代理人弁護士

板井一瓏

岐阜県本巣郡穂積町大字本田四七四番の一

被告

三甲株式会社

右代表者代表取締役

後藤甲平

右訴訟代理人弁護士

花岡巖

新保克芳

主文

原告の請求をいずれも棄却する。

訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由

第一  請求

一  被告は、別紙第二目録及び第二目録説明書並びに第三目録及び第三目録説明書記載の折りたたみコンテナ(以下第二目録の製品を「被告製品(一)」、第三目録の製品を「被告製品(二)」といい、まとめて「被告製品」と総称する。)を製造、販売してはならない。

二  被告は、被告製品を廃棄し、被告製品の製造に必要な金型を除却せよ。

三  被告は、原告に対し、金四六〇万円及びこれに対する平成四年九月一五日から支払ずみまで年五分の割合による金員を支払え。

第二  事案の概要

本件は、原告が被告に対し、不正競争防止法一条一項一号及び同一条ノ二第一項に基づき、別紙第一目録及び第一目録説明書記載の原告の折りたたみコンテナ(以下「原告製品」という。)の形態が周知であるとして、被告製品の製造販売の差止、廃棄及び金型の除却、並びに被告が平成三年七月以降同四年八月までの間に被告製品を二万八〇〇〇個販売し(販売総額六一〇〇万円)、これにより原告に四六〇万円の損害を与えたとして損害賠償を求めている事案である。

一  争いのない事実

1  原告は、総合化学会社として、有機、無機化学原料及び同原料を素材とする工業化学製品の製造、販売を業とする会社であるが、原告製品を「オリコン」という登録商標を付して製造販売している。

2  被告は、昭和五九年ころから被告製品(一)を製造販売し、その後、被告製品(二)も製造販売している。

3  原告製品は、プラスチック製の反復使用可能の物納運搬用容器であって、その特徴は、組立状態において、箱形の容器となり、不使用時にはこれを折りたたんで、その容積を箱形時の約四分の一とするものであり、かつ、使用時、折りたたみ時においても積み重ね可能としたものである。原告製品は、右特徴によって、容器に内容物を充填したときの整理及び空き容器の整理を極めて合理的にかつ最小容積の使用で足りるようにしたものであり、また、空き容器輸送の運賃も大幅に軽減されるものである。

二  争点

1  原告製品の形態は、周知商品表示といえるか。

2  原告製品と被告製品については、商品主体の混同があるか。

三  争点に関する当事者の主張

1  争点1について

(一) 原告

原告製品の形態は、次に述べるとおり、遅くとも昭和五八年には、原告の商品であることを示す表示として、わが国において周知になったものである。

(1) 昭和油化株式会社(昭和五四年に原告に吸収合併)は、昭和五〇年にプラスチック製の折りたたみ可能のコンテナ(原告製品)をわが国において初めて製造販売したものであり、原告製品は、発売以来、商品あるいは部品の仕分け保管及び運搬用容器として各種製造業、多種物品取扱業者及び流通業界等で広く利用されてきた。原告による原告製品の販売高は、昭和五五年には年間二〇万個、同五六年には年間二五万ないし三〇万個であり、同五八年までの累積販売高は、一〇〇万個であった。原告製品の年間の販売高は、昭和六一年には四〇万個、同六二年には五〇万個、同六三年には六〇万個、平成元年には七〇万個、同二年には一一〇万個、同三年には一二〇万個になり、発売以来同三年までの累積販売高は六三〇万個であった。また、原告製品の販売先は、最近の五年間だけでも約五〇〇〇社であり、通算では全国で九〇〇〇社以上に及んでいる。

また、原告は、原告製品について、各種雑誌新聞に、頻繁かつ継続的に宣伝広告を掲載してきており、更に、多くの展示会にも原告製品を出品してきたものである。

(2) 原告製品の特徴

原告製品は、フレーム、側板、あおり板及び底板から構成されているが、その形態的特徴は、次のとおりである。

A 側板は、長手方向にわたり、中央部で内側に折れ曲り、あおり板は、フレームを支軸として内側に回動するようにした折りたたみ形式を有する。

B 底板の外面には、フレームの内周面の寸法に合せた段部があり、フレームの上面四隅に凹溝部を設けてあって、コンテナの積重ねに当たり、上段コンテナの底板段部が下段コンテナのフレーム内に没入し、両コンテナが嵌合するようにした形式を有する。なお、底板の外面四隅に補強のため突出部を設けることがある。

C 折りたたみ時の高さが組立時の約四分の一である容積縮小率を有する。

(3) 折りたたみコンテナは、その用法上多数個が使用されるから、折りたたみが容易でかつ取扱が簡単で一気に折りたたみのできることが肝要である。したがって、前記Aの折りたたみの形式及び折りたたみ時の形態は、需要者が最も関心を惹くところである。また、前記Bの積重ねが可能である点は、多数の容器の整理統合による占有容積の縮小及び大量輸送に欠かせないものであり、積み重ねた各容器が上下間で十分固定されることが必要である。更に、前記Cの折りたたみによる空容器の容積縮小率は、需要者が大きな関心を寄せるところである。よって、原告製品の右ABCの構成は、これらが一体となって原告製品の出所を表示する機能を果たしているものである。

(4) 被告は、原告製品の構成ABCは、折りたたみコンテナの果たすべき機能に由来する必然的な形態にすぎず、不正競争防止法にいう商品表示となることはできない旨主張するが、原告製品の機能は、すべてその形態に依拠していて、組み立てた状態、折りたたんだ状態、その途中の状態もすべて形態に由来するものとして把握し、認識することができる。むしろ、原告製品が特異な形態を備えているからこそ、独特の機能を発揮させることができるのである。したがって、形態が技術的機能を有すると考えられる商品についても、右形態が不正競争防止法にいう周知商品表示になると考えるべきである。

また、折りたたみコンテナの折りたたみ方法としては、別紙図面に記載のとおり数種類の方法が存在しているものであり、原告製品の特徴的な形態が折りたたみコンテナに共通する必然的な形態であるということはできない。

更に、形態とは、静止しているものに限られず、視覚上判断できるものであれば、動くものも形態と把握されるべきことは、動的意匠が認められていることからも明らかである。

(5) 被告は、原告製品の特徴Aは、公知技術から容易に想定できるものであって、形態の特異性が全くない旨主張するが、不正競争防止法における商品表示としての形態は、新規性と進歩性が要件になっているわけではなく、特定の形態からなる商品が長年月にわたり広く販売され、宣伝されて、その形態が特定の業者が製造販売している製品であることが広く知られていればよいのであり、右の被告の主張は失当である。

また、被告は、「原告の原告製品の宣伝広告において、前記ABCの特徴がすべて記載されているものは皆無である。仮に、原告が前記ABCが原告製品の商品表示であると考えていたのであれば、その宣伝広告において、前記ABCの特徴的形態が明らかになっていたはずである。」と主張するが、新聞等での広告や記事では、物品の目的、用途、取扱上の特徴、業界での評判などについては記載されるが、物品の形態の詳細を説明することはないのが通常である。需要者は、それらの広告、記事を端緒として、それらの商品を購入しようとする際に、当該商品のカタログや説明、見本等の提供を要求し、その結果、原告製品を多くの人が購入することにより、商品の形態が具体的に行き渡っていくのである。

(6) 被告は、岐阜プラスチック工業株式会社(以下「岐阜プラスチック」という。)が前記ABCの特徴を有する折りたたみコンテナを製造販売していた旨主張するが、同社は、昭和五八年八月一五日に原告とクロスライセンス契約を締結しており、同社が右のような製品を製造販売したのは、原告が原告製品と同種形態の製品の製造を許諾したことによる結果である。また、原告と岐阜プラスチックとがクロスライセンス契約を締結したということは、化学工業日報(発行部数一〇万部)、石油化学新聞(同二万部)、板紙・段ボール新聞(同五〇〇〇部)、合成樹脂新聞(同二万五〇〇〇部)、包装タイムス新聞(同四万部)の各新聞に掲載され、広くコンテナの使用、製造に関連する各方面に報ぜられたものである。したがって、岐阜プラスチックは、原告のグループに属するものであり、岐阜プラスチックの製造販売にかかる製品が存在しても、原告製品の形態が周知商品表示であることに何ら影響を与えるものではない。なお、岐阜プラスチックの製品は、フレームの隅の構造が原告製品と異なっているため、原告製品と嵌合することができず、原告製品と使用分野が異なっているのであり、また、同社のシェアーは、原告の二〇%程度にすぎない。

(7) 被告は、被告が昭和五九年から前記ABCの特徴を有している製品を自社製品として販売した旨主張するが、被告が右製品を販売するに至った経緯は、次のとおりである。

原告は、被告が昭和五九年に原告に無断で金型を発注し原告製品と同一の物の製造を開始したため、原告は、折りたたみコンテナに関して有する実用新案権、意匠権に基づき、被告の行為を中止させるべく要求し、解決策として、被告に右行為を中止させ、その代わり、被告の金型を有償で買い取ったうえで、被告にこれを貸与し、原告が被告に原料樹脂の供給をして被告に原告製品の製造を委託することにした。被告が昭和六一年一月、六月に再び金型を発注し、原告製品と同一の物の製造販売を開始したときも、原告は、右と同様の措置を取ることにし、同年七月一日、被告との間で特定の原告製品について製造を委託し、また、原告製品の一部について原告の代理店として販売することを内容とする覚書を締結した。したがって、右覚書締結以前の被告の折りたたみコンテナの製造販売行為は、すべて違法なものであったし、その後の製造販売行為は、製品にオリコンの商標が使用されており、原告の許諾によるものであることが明らかに示されており、被告が被告の商品として右製品を販売したものではない。原告は、その後、被告において原告の「オリコン」の販売を阻害する行為が多く見受けられるようになったため、被告との製造委託、代理店契約を平成三年六月末日に終了させる旨被告と合意し、製造委託のため原告が被告に貸与していた金型は原告に返還された。被告は、「被告は、原告の代理店として原告製品も販売していたが、その際には原告製品も被告製品と区別なく被告の商品として販売していた」旨主張するが、被告が原告の代理店として販売していた原告製品には

「オリコン」「昭和電工」の表示がされているし、代理店販売の場合は、通常メーカーからユーザーに直接商品が引き渡されるものであるから、被告を代理店とする販売の場合に、ユーザーが原告製品を被告の商品と認識していたということはありえない。また、被告は、原告の実用新案権の存続期間が満了したため、代理店契約の更新をしなかった旨主張するが、実用新案権の存続期間と代理店契約の存続期間の満了とは全く関係がない。原告は、被告の違反行為が続いたため、代理店契約を終了させたものである。

(二) 被告

(1) 原告製品の特徴ABCは、折りたたみコンテナの果たすべき機能に由来する必然的な形態にすぎず、不正競争防止法にいう商品表示となることはできない。すなわち、商品の形態が商品表示となりうるのは、商品の形態に機能と離れた創作性と美的価値がある場合である。

また、原告が主張する原告製品の特徴Aは、昭和四九年八月一三日付の実用新案登録願の願書に開示されている構造であり(右出願は、昭和五一-二五〇三九として公開されている。)、公知技術から容易に想定できるものであって、原告が主張する右特徴Aは、形態の特異性が全くない。更に、需要者は、折りたたみが容易かどうかという機能については関心を抱くが、その点に差異がなければ、折りたたみ方については関心を抱かないのであり、原告製品の特徴Aは、商品の特徴であっても、商品の出所を識別するに足りる商品表示になるものではない。

更に、原告の原告製品の宣伝広告において、前記ABCの特徴がすべて記載されているものは皆無である。仮に、原告が前記ABCが原告製品の商品表示であると考えていたのであれば、その宣伝広告において、前記ABCの特徴的形態が明らかになっていたはずである。

(2) 前記ABCの特徴を有する製品は、次のとおり、岐阜プラスチック及び被告が製造販売しており、前記ABCの特徴が周知性があるということはできない。

岐阜プラスチックは、昭和五八年ころから原告製品と同様に前記ABCの特徴を有している製品を製造販売しており、その販売量は、原告の販売量の約三、四割に相当する。そして、岐阜プラスチックは、その販売に当って原告からライセンスを受けていることを表示していないため、岐阜プラスチックが販売する商品が原告からのライセンス商品であることは公には知られていなかった。

また、被告も、昭和五九年から前記ABCの特徴を有している製品を自社製品として販売し、更に、原告の代理店として原告製品も販売していたが、その際には原告製品も被告製品と区別なく被告の商品として販売していた。したがって、原告が主張する原告製品の特徴ABCは、原告の商品表示として周知になることはなかったのである。原告は、原告製品の顧客が最近の五年間だけでも五〇〇〇社を超える旨主張するが、被告が原告の代理店であったときに開拓した顧客数は、四〇〇〇を超えるのであり、被告がその際被告の商品として原告製品を販売していたことは右のとおりである。なお、被告は、原告との契約期間中は、その販売する製品に「オリコン」の商標を付していたが、原告の名称は表示しておらず、かつ「オリコン」も折りたたみコンテナの略称にすぎないため、右の商標は、原告商品であることを示す表示にはならない。また、原告が買い取った金型は、当時原告製品にはなかった寸法及び形状の異なるもの(32B、60A)であり、いずれも特定の大口需要家を対象に被告が独自開発したものである。被告の行為が原告主張のとおり違法であれば、原告が金型を有償で引き取るはずもないことである。更に、原告は、被告において原告の「オリコン」の販売を阻害する行為が多く見受けられるようになったので、被告との契約を平成三年六月末に終了させた旨主張するが、原告が有していた実用新案権の存続期間は同二年四月一五日で満了しており、原告と被告との契約が同三年六月末で終了するのは当然である。

(3) 原告は、原告製品の折りたたみ方法以外の方法が別紙図面に記載したとおり存在すると主張するが、同図8記載の方法は、原告製品より約一〇年遅れて登場し、段ボールプラスチックを素材としてコストダウンと軽量化を図ったため、本件のような折りたたみ方法は採用しなかったのである。同図6に記載のものは、実態としては家庭用にしか用いられていない。また、同図2に記載のものは、ほとんど流通しなかったものである。更に、同図5に記載のものは、段ボールプラスチックよりなるもので、プラスチックコンテナとは全く別のものである。右のとおり、プラスチック製物納運搬用容器としては、原告製品の折りたたみ方法を採らざるを得ないのである。

2  争点2について

(一) 原告

(1) 原告製品と被告製品の形態は、前記ABCの特徴において全く同一であり、しかも容器の着色においても同一である。また、被告製品の寸法は、原告製品の寸法とほとんど同一であり、被告が原告製品との積重ね嵌合ができることを強調して販売しているところからしても、両者の誤認混同は、避けられない。なお、原告製品のサイズは、JISにも存在しないサイズであり、原告が独自に定めたものである。同じ容量のものであっても、縦、横、高さの組合せは無数に存在するのであるから、被告が原告製品との誤認混同を避けようと思えば、、少なくとも原告製品と寸法を違えてしかるべきであるところ、その寸法も同一であるということは、被告が原告製品の周知性にただ乗りし、商品主体の混同を惹起する意図であることが明らかである。

(2) 被告は、前記1(一)(7)のとおり、原告との契約が終了した後も、従来製造していたものと同様の折りたたみコンテナ(被告製品)を原告製品の納入先に原告より低い価格で販売する行為を継続している。

不正競争防止法における誤認混同は、広義の混同も含まれるものであり、被告製品が、原告と緊密な営業上の関係がある者ないしは経済的又は組織的に関係がある者の関与した商品であるとの誤認混同も含まれるところ、被告は、以前原告製品を代理店として販売していたものであり、原告と特別の関係にあったことは、需要者に知られており、このような需要者に販売すれば、原告製品との広義の混同が生じてもおかしくはないのである。

(3) 原告製品及び被告製品の多くは、代理店を通して販売されるのであるが、代理店は、各社の製品を取り扱うのが通常であるし、被告製品の販売先も原告製品を既に使用しているところが主体である。そして、需要者の中には原告製品については、その形態について十分承知しているものの、メーカー名までは認識していないか、特に関心をもっていない場合も多く、このような需要者が代理店を通して購入する場合、需要者は、形態、品質及び価格等を重視し、代理店はマージン等を重視して製品を選択することが多いから、誤認混同が生じるのは当然である。

また、原告製品も被告製品も、メーカーの名称は、コンテナの片隅に小さく表示されるだけで、コンテナに大きく表示されるのはコンテナのユーザーの名称であるから、この点でも混同が生じやすいものである。

(二) 被告

(1) 被告は、我が国でも有数の成型メーカーであり、昭和三六年以来コンテナ等の合成樹脂性物流資材の製造販売を行っており、代理店だけでも全国に千数百を有する企業であり、原告から実用新案権についてライセンスを受け、前記ABCの特徴を有する折りたたみコンテナを製造販売してきたものであるが、前記のとおり右実用新案権の期間が満了し、右契約が終了した後、被告製品の製造販売を開始したものである。

(2) 折りたたみコンテナは、大量に一括購入される場合がほとんどであり、その取引に際しては、営業マンがそのメーカー名を明らかにして製品の機能、価格、納期等の説明を行うのであるし、また、原告製品と被告製品とはその外観も異なるから、右両製品について誤認混同を生じる余地はない。

第三  判断

一  争点1について

1  商品の形態は、商品がその具有すべき機能を合理的に発揮させるようにするため、あるいは、商品の生産を効率的に行なうようにするため、更には、商品の美観を高めるために適宜選択されるものであり、本来商品の出所を表示することを目的とするものではないが、副次的に出所表示機能を持つに至ることがある。不正競争防止法一条一項一号は、「商品ノ容器包装其ノ他他人ノ商品タルコトヲ示ス表示」が商品表示となる旨規定しているため、商品の形態が出所表示機能を持つに至った場合は、商品の形態自体も同条項にいう商品表示となりうるものであるが、商品の形態が出所表示機能を有し同条項における周知商品表示となるためには、同条項の趣旨に照らし、第一に、商品の形態が、他の類似商品と比べ、需要者の感覚に端的に訴える独自な意匠的特徴を有し、需要者が一見して特定の営業主体の商品であることを理解することができる程度の識別力を備えたものであることが必要であり、第二に、当該商品の形態が長期間特定の営業主体の商品に排他的に使用され、又は、当該商品が短期間でも強力に宣伝広告されたものであることが必要というべきである。そして、右第一の要件について補足すれば、商品の形態は、どのような商品であっても意匠的な特徴を全く有しないものはなく、他の類似商品と比べた形態の独自性といっても相対的なものではあるが、不正競争防止法における周知商品表示と認められるためには、前記のように需要者が一見して特定の営業主体の商品であることを理解することができる程度の識別力を備えた独自な意匠的特徴を有する形態であることが必要というべきである。

2  この観点から原告製品についてみてみるに、後記の括弧内の各証拠によれ ば、次の事実が認められる。

(一) 原告製品は、プラスチック製の物納運搬用容器であり、化粧品、自動車、電気製品、食品及び医薬分野における工場内の製品ないしは部品の仕分け又は製品ないしは部品の需要者への配送、並びに、物流業、スーパー、生協、大型小売店等の分野における製品の配送等に使用されるものである。

原告製品は、別紙第一目録及び第一目録説明書記載の構造を具備し、原告主張の前記ABCの構造、機能を有するものであり、折りたたみが容易で耐荷重性もよく、コンテナ相互の嵌合性もあること、及び、ダンボール箱に比べ耐久性があるため結局経済的であることから、需要者に好評を博し、昭和油化株式会社(昭和五四年に原告に吸収合併)が昭和五〇年に販売を開始してから同五八年までに累積販売数量が一〇〇万個、同六三年までに累積販売数量が三〇〇万個に達し、その後平成元年には七〇万個、同二年には一一〇万個、同三年には一二〇万個、同四年には九〇万個の年間販売実績を挙げ、その販売先は、昭和六三年から平成四年までの五年間でも五二〇〇社、通算で九〇〇〇社以上に及んでいる。(甲一の1、五七、六三)

(二) 原告製品は、その外見的特徴によりこれをいくつかのタイプに分類すると、通常のプラスチック製の不透明な形状のもの、メッシュタイプのもの、内容物が見える透明なタイプのもの、また、保冷用のタイプのものに分けることができ、それぞれに青又は黄色の配色がなされている。(甲一の1・2)

また、原告製品については、主として業界紙等においてときどきその宣伝広告がなされているだけであり、また、右宣伝広告においては、単に原告製品の外見的形状を写真等で示しているにすぎないものや、折りたたみコンテナとしての折りたたみの容易性、折りたたみにより容積が三分の一ないし四分の一に縮小すること、軽量で耐荷重性に優れていること、コンテナ相互の嵌合性があり積重ねが容易であることなど物納運搬用容器としての機能的な特徴を説明しているものはあるが、前記Aの折りたたみ方法や前記Bの嵌合の方法について具体的に説明しているものはほとんどない。更に、業界紙の記事で原告製品が取り上げられたことも数回あるが、前記A、Bの特徴を述べたものは少ない。(甲三ないし一六、一八、一九、二一ないし三四)

(三) 原告は、昭和五八年八月には、プラスチック成型加工品の大手メーカーである岐阜プラスチックとの間で同社のプラスチックシート成型加工技術と原告の原告製品に関する実用新案権とのクロスライセンス契約を締結し、岐阜プラスチックは、同年八月から原告が主張する前記ABCの構造、機能を具備する折りたたみコンテナの製造販売を開始し、相当量の製品を販売した。そして、岐阜プラスチックが原告とクロスライセンス契約を締結して折りたたみコンテナを製造販売することは、昭和五八年八月当時の業界紙において報道されたが、その後、岐阜プラスチックの折りたたみコンテナの宣伝用パンフレット等においては右クロスライセンス契約については何ら触れられておらず、また、同社は、原告の登録商標である「オリコン」も使用していないため、一般の折りたたみコンテナの需要者の立場からは、岐阜プラスチックが原告とは無関係に前記ABCの構造、機能を具備する折りたたみコンテナを製造販売しているのか、原告のライセンスの下に右製品を製造販売しているのかは、必ずしも明確ではなかった。(甲一の1、四九の1ないし5、五三、五九ないし六一、乙二の1ないし3)

(四) 被告は、昭和五七年から五八年にかけて折りたたみコンテナの製品化を検討したが、強度、作業性等の条件を満足する製品を製造するためには、原告が当時有していた実用新案権を使用する必要があったため、原告に同権利のライセンスを申し込んだところ、断わられた。被告は、昭和五九年に前記ABCの構造、機能を有する製品の製造販売を開始したが、原告からクレームがつき、原告が被告の金型を買い取ることになった。被告が同六一年に再び同種製品の製造販売を開始したため、原告と被告は、同六二年に話合いをした結果、被告の金型を原告が買い取り、被告が右金型を使用して原告の委託により原告製品を製造し、また、原告から原告製品を仕入れて代理店として原告製品を販売するようになり、その後被告の販売力により多数の原告製品の販売先が開拓された。なお、被告は、もともと二〇〇〇種類位の製品を製造販売するメーカーであったため、原告製品についても、特に原告が製造販売した製品を仕入れて販売している旨を力タログ等に明示していたわけではなかったが、原告の「オリコン」の商標を使用して原告製品を販売していた。被告は、平成三年六月に原告との契約が終了した後に、被告製品の製造販売を開始した。被告製品(一)及び(二)は、別紙第二、第三目録及び第二、第三目録説明書記載の構造であり、原告主張の前記ABCの構造、機能を有し、また、原告製品との嵌合性を確保するために、原告製品とほぼ同一のサイズとしているが、被告が被告製品の製造を開始したときは、既に原告以外に数社が折りたたみコンテナの市場に参入していたため、被告は、被告製品の外観を頑丈そうに見えるようにするため、側板に太いリブを三本設け、その横にXと〇の模様を付している。(甲六三、乙一六、証人石川)

なお、原告製品の折りたたみ方式以外のプラスチック性の折りたたみコンテナとしては、住友化学が昭和六〇年ころから「パタコン」との商標の下に製造販売を開始し、現在に至っている製品があるが、右製品は、原告製品と比べると、軽量で安価であるとの利点を有するが、折りたたみ及び組み立て工程が原告製品と比べ一工程多く、また、耐荷重性も原告製品と比べ劣っているため、比較的軽量物を取り扱う業種において採用される傾向がある。したがって、原告製品と同様の折りたたみの容易性、耐荷重性、容積縮小率を実現しようとすると、原告製品の前記Aの折りたたみ方式とは別な構造の折りたたみコンテナは考えにくい状況にある。(甲五〇、五一、 六三)

(五) 折りたたみコンテナは、大手のユーザーに対しては原告及び被告メーカーが直接売込みを行ない、各メーカーが並行的に見積書を提出して、販売することもあるが、それ以外のユーザーに対しては代理店を通して販売し、一般の消費者に対して店頭で販売することはない。折りたたみコンテナの需要者は、前記(一)のとおり化粧品、自動車、電気製品、食品、医薬、運輸流通関係の企業であり、現在は既存ユーザーからのリピートオーダーが多い。

また、原告の実用新案権が期間満了により消滅したため、現在は被告をはじめとする数社が、前記ABCの構造、機能を有し、原告製品と嵌合性がある折りたたみコンテナを製造販売しているが、原告ないし被告らメーカーやその代理店の営業担当者は、各企業の購買担当者を相手に、メーカー名が明示されたパンフレット等を示したりして原告製品や被告製品あるいは他のメーカーの折りたたみコンテナの機能、特徴、価格等の説明をして原告製品や被告製品等を販売しており、また、需要者である右各企業の購買担当者も原告及び被告ら複数のメーカーが前記ABCの構造、機能を有する折りたたみコンテナを製造販売していることを知っているため、複数のメーカーの製品の中から、各メーカーの信用度、製品の特徴、価格等を考慮して、各企業の需要に見合ったメーカーの製品を選択して購入している。(甲六三、六四、乙一二、一三、一六、証人石川)

3  以上によれば、原告製品は、折りたたみコンテナとして、右に述べた折りたたみの容易性、耐荷重性、コンテナ相互の嵌合性等の機能的側面及び経済性で優れているため、多くの企業に採用され、多数販売されるようになっていったものであるが、前記認定の折りたたみコンテナ業界の状況及び取引の実情並びに原告製品の外見的形状に鑑みれば、原告が主張する前記ABCの特徴は、原告製品が有している構造的、機能的な特徴を列記したものにすぎず、独自な意匠的特徴を有し、需要者が一見して特定の営業主体の商品であることを理解することができる程度の識別力を備えたものであると認めることはできないものであり、また、そのため、原告製品と同一の機能を有する製品が複数の企業から販売されている現在においては、需要者は、折りたたみコンテナを選択するにあたって、各メーカーの信用度、製品の特徴、価格等の経済的なコストに注目して、原告製品又は被告製品ないしはその余のメーカーの製品のいずれかを購入しているものであることが認められる。

原告は、「原告製品の機能は、すべてその形態に依拠していて、組み立てた状態、折りたたんだ状態、その途中の状態もすべて形態に由来するものとして把握し、認識することができる。むしろ、原告製品が特異な形態を備えているからこそ、独特の機能を発揮させることができるのである。したがって、形態が技術的機能を有すると考えられる商品についても、右形態が不正競争防止法にいう周知商品表示になると考えるべきである。」と主張するが、形態が技術的機能を有すると考えられる商品についても、右形態が不正競争防止法にいう周知商品表示になることはありうるとしても、前記認定のとおり、原告が主張する前記ABCの特徴は、原告製品が有している構造的、機能的な特徴を列記したものにすぎず、独自な意匠的特徴を有し、需要者が一見して特定の営業主体の商品であることを理解することができる程度の識別力を備えたものであると認めることはできないのであるから、原告の右主張は採用することができない。また、原告は、「折りたたみコンテナの折りたたみ方法としては、別紙図面に記載のとおり数種類の方法が存在しているものであり、原告製品の特徴的な形態が折りたたみコンテナに共通する必然的な形態であるということはできない。」と主張するが、右の原告の主張のとおり原告製品の特徴的な形態が折りたたみコンテナに共通する必然的な形態ではないとしても、原告製品の折りたたみ方法は、折りたたみコンテナにおいていくつかある公知の折りたたみ方法のうちの一つにすぎず、その折りたたみ方法自体は、機能的なものであり、独自な意匠的特徴を備え、出所表示機能を有するものであるとまでいうことはできない。

よって、原告が主張する原告製品の前記ABCの構造、機能は、不正競争防止法における周知商品表示ということはできない。

二  争点2について

1  原告製品及び被告製品の取引の実情について

折りたたみコンテナは、大手のユーザーに対しては原告及び被告らメーカーが直接売込みを行ない、各メーカーが並行的に見積書を提出して、販売することもあるが、それ以外のユーザーに対しては代理店を通して販売し、一般の消費者に対して店頭で販売することはなく、また、折りたたみコンテナの需要者は、化粧品、自動車、電気製品、食品、医薬、運輸流通関係の企業であり、更に、現在は既存ユーザーからのリピートオーダーが多いこと、及び、現在は被告をはじめとする数社が、前記ABCの構造、機能を有し、原告製品と嵌合性がある折りたたみコンテナを製造販売しているが、原告ないし被告らメーカーやその代理店の営業担当者は、各企業の購買担当者を相手に、メーカー名が明示されたパンフレット等を示したりして原告製品や被告製品あるいは他のメーカーの折りたたみコンテナの機能、特徴、価格等の説明をして原告製品や被告製品を販売しており、また、需要者である右各企業の購買担当者も原告及び被告ら複数のメーカーが前記ABCの構造、機能を有する折りたたみコンテナを製造販売していることを知っているため、複数のメーカーの製品の中から、各メーカーの信用度、製品の特徴、価格等を考慮して、各企業の需要に見合ったメーカーの製品を選択して購入していることは、前記認定のとおりである。

2  右のような折りたたみコンテナの業界の状況及び取引の実情を見ると、原告製品の既存のユーザーが原告製品と嵌合性のある前記ABCの構造、機能を具備する折りたたみコンテナを購入しようとする場合は、まさに各メーカーの製品の特徴、価格等から、各企業の需要に見合ったいずれかのメーカーの折りたたみコンテナを選択し購入するものであり、また、新規に折りたたみコンテナを購入する者も、原告及び被告を含む複数のメーカーの折りたたみコンテナの構造、機能、特徴、価格をそれぞれ考慮、検討のうえ、いずれかのメーカーの折りたたみコンテナを選択し、購入するものであると認められ、このような取引の実情に鑑みれば、原告製品と被告製品について、原告が主張する前記ABCの構造、機能が同一であることによっては、商品主体の誤認混同は、生じないものと認められる。

また、原告は、原告製品と被告製品の着色が同一であること、被告が被告製品が原告製品と嵌合できることを強調して販売していることを原告製品と被告製品との誤認混同が生じる理由として主張しているが、青又は黄色の着色が折りたたみコンテナにおいてごく一般的な着色であること(甲五〇、五三、五五の1、六二)、及び、被告製品が原告製品と嵌合できることを強調することは、被告製品が原告製品と異なるメーカーの製品であることがその前提にあるのであって、むしろ、異なるメーカーの商品であるから原告製品との嵌合性を強調する必要があることからすれば、原告の右主張もまた採用することはできない。

更に、原告は、「被告は、以前原告製品を代理店として販売していたものであり、原告と特別の関係にあったことは、需要者に知られており、このような需要者に販売すれば、原告製品との広義の混同が生じてもおかしくはないのである」旨主張するが、前記認定の折りたたみコンテナの取引の実情及び被告が二〇〇〇種類以上のコンテナを製造する大手メーカーであること

(乙一六)に鑑みれば、過去において被告が原告の代理店であったとの事実から、直ちに原告主張の広義の混同が生じるものと認めることはできない。

更にまた、原告は、「需要者が代理店を通して購入する場合、需要者は、形態、品質及び価格等を重視し、代理店はマージン等を重視して製品を選択することが多いから、誤認混同が生じるのは当然である。また、折りたたみコンテナにおいては、メーカー名が小さく表示されることから、誤認混同が生じる」旨主張するが、前記認定の折りたたみコンテナの取引の実情に鑑みれば、右のような事実があったとしても、商品主体の誤認混同が生じるものと認めることはできない。

なお、甲五八の1・2は、乙一〇、一一、一六、一七及び証人石川の証言に照らし、採用しえない。

三  以上によれば、原告の請求はその余の点について判断するまでもなく、理由がない。

(裁判長裁判官 一宮和夫 裁判官 設樂隆一 裁判官 足立謙三)

(別紙)

第一目録

30B、32B、40B、50B、55B、75Bの6種のタイプで左に示す夫々ブルー及びイエローのプラスチック製折りたたみコンテナ

タイプ 有効内寸(m/m) 長さ 幅 高さ 外寸(m/m) 長さ 幅 高さ 折りたたみ後の高さ (m/m)

30B 30e 490 332 184 530 366 206 70

32B 32 342 273 320 380 305 333 76

40B 40 490 332 249 530 366 271 70

50B 48 490 332 298 530 366 320 86

55B 55 600 405 226 650 440 249 80

75B 74 600 405 305 650 440 329 80

前記のうち50Bのブルーのものを左図(写真)に示す。他のものは容量及び色が変るが実質的に同じなので図は省略する。

第1図

<省略>

第1’図

<省略>

第2図

<省略>

第2’図

<省略>

第3図

<省略>

第4図

<省略>

第5図

<省略>

第6図

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第7図

<省略>

第8図

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第9図

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第10図

<省略>

第11図

<省略>

(別紙)

第一目録説明書

第1図~第5図は組立てた状態で、第1図は斜視図、第1’図は同コピー、第2図は底面図、第2’図は同コピー、第3図は正面図(背面も同じ)、第4図は平面図、第5図は側面図(左右同じ)、第6図~第9図は折りたたんだ状態で、第6図は正面図(背面も同じ)、第7図は側面図(左右同じ)、第8図は平面図、第9図は斜視図、第10図~第11図は折りたたむ途中の状態の斜視図である。

図面中、1はフレーム、2はフレームに軸支されたあおり板で、フレーム軸を中心に内側上方に回動可能になっている(第10図参照)。3は下側板、4は上側板で両者は内側に折れ曲るように連結されている(第11図参照)。5はフレームの四隅に設けられた凹溝、7は底板6の四隅を補強するために設けられた突出部である。8は底板の周辺段部で前記突出部と同じ高さを有する。

折りたたんだ状態(第9図参照)から組立てるにはフレームを上方に持ち上げ、側板を伸ばし、次いであおり板を回動して底板の下面縁部に固定すればよい。折りたたむ場合はこの逆の操作をする。

折りたたみコンテナを複数個積重ねたとき、下段のコンテナのフレーム内に上段のコンテナの周辺段部8が没入し、さらに凹溝5と突出部7が嵌合するようになっている。

(別紙)

第二目録

30B、40B、50B、55B、75Bの6種のタイプで左に示す夫々ブルー及びイエローのプラスチック製折りたたみコンテナ

タイプ 有効内容量 寸法 有効内寸(m/m) 長さ 幅 高さ 外寸(m/m) 長さ 幅 高さ 折りたたみ後の高さ (m/m)

30B 30e 490 332 195 530 366 206 70

32B 32 346 276 320 380 305 331 74

40B 40 490 332 261 530 366 272 70

50B 48 490 332 311 530 366 322 86

55B 55 600 405 237 650 440 249 80

75B 74 600 405 317 650 440 329 80

前記のうち50Bのブルーのものを左図(写真)に示す。他のものは容量及び色が変るが実質的に同じなので図は省略する。

第1図

<省略>

第1’図

<省略>

第2図

<省略>

第2’図

<省略>

第3図

<省略>

第4図

<省略>

第5図

<省略>

第6図

<省略>

第7図

<省略>

第8図

<省略>

第9図

<省略>

第10図

<省略>

第11図

<省略>

(別紙)

第二目録説明書

第1図~第5図は組立てた状態で、第1図は斜視図、第1’図は同コピー、第2図は底面図、第2’図は同コピー、第3図は正面図(背面も同じ)、第4図は平面図、第5図は側面図(左右同じ)、第6図~第9図は折りたたんだ状態で、第6図は正面図(背面も同じ)、第7図は側面図(左右同じ)、第8図は平面図、第9図は斜視図、第10図~第11図は折りたたむ途中の状態の斜視図である。

図面中、1はフレーム、2はフレームに軸支されたあおり板で、フレーム軸を中心に内側上方に回動可能になっている(第10図参照)。3は下側板、4は上側板で両者は内側に折れ曲るように連結されている(第11図参照)。5はフレームの四隅に設けられた凹溝、7は底板6の四隅を補強するために設けられた突出部である。8は底板の周辺段部で前記突出部と同じ高さを有する。

折りたたんだ状態(第9図参照)から組立てるにはフレームを上方に持ち上げ、側板を伸ばし、次いであおり板を回動して底板の下面縁部に固定すればよい。折りたたむ場合はこの逆の操作をする。

折りたたみコンテナを複数個積重ねたとき、下段のコンテナのフレーム内に上段のコンテナの周辺段部8が没入し、さらに凹溝5と突出部7が嵌合するようになっている。

(別紙)

第三目録

30B、40B、50B、55B、75Bの5種のタイプで左に示す夫々ブルー及びイエローのプラスチック製折りたたみコンテナ。

寸法は第二目録のものと同じである。

前記のうち50Bのブルーのものを以下(写真)に示す。他のものは容量及び色が変るが実質的に同じなので図は省略する。

第1図

<省略>

第2図

<省略>

第3図

<省略>

第4図

<省略>

第5図

<省略>

第6図

<省略>

第7図

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第8図

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第9図

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第10図

<省略>

第11図

<省略>

(別紙)

第三目録説明書

第1図~第5図は組立てた状態で、第1図は斜視図、第2図は底面図、第3図は正面図(背面も同じ)、第4図は平面図、第5図は側面図(左右同じ)、第6図~第9図は折りたたんだ状態で、第6図は正面図(背面も同じ)、第7図は側面図(左右同じ)、第8図は平面図、第9図は斜視図、第10図~第11図は折りたたむ途中の状態の斜視図である。

第二目録の第1図、第2図の符号を引用して説明すれば、図面中、1はフレーム、2はフレームに軸支されたあおり板で、フレーム軸を中心に内側上方に回動可能になっている(第10図参照)。3は下側板、4は上側板で両者は内側に折れ曲るように連結されている(第11図参照)。5はフレームの四隅に設けられた凹溝である。8は底板の周辺段部である。

折りたたんだ状態(第9図参照)から組立てるにはフレームを上方に持ち上げ、側板を伸ばし、次いであおり板を回動して底板の下面縁部に固定すればよい。折りたたむ場合はこの逆の操作をする。

折りたたみコンテナを複数個積重ねたとき、下段のコンテナのフレーム内に上段のコンテナの周辺段部8が没入し、嵌合するようになっている。(なお、凹溝5は第二目録のコンテナの突出部7と嵌合するようになっている。)

別紙図面

<省略>

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